剣岳登山レポート 2010/07/20~07/21
室堂→雷鳥平→剣御前小屋→剣山荘→剣岳
剣岳 2999mと、剣沢に建つ剣山荘、ここは5年前に改築され、トイレは水洗、シャワーもある快適な山小屋

平蔵谷上部の岩場を、鎖につかまって登る。この高度感がたまらない・・・・!
山頂までには、こういう急峻な岩場を、鎖を使っての登りが十数か所ある。
体力と、岩場を登る三点支持の基本技術が必要と言われているが、結構しろうと風の人とか、
大丈夫かなというようなおばさんに出会う。そういう自分も、他の人から見れば、どこかの素人のおっさんに違いない!
それにしても、剣岳には、他の山には無い魅力があり、何度登ってもいい!!


20日早朝車で出発、立山黒部アルペンルートの立山駅に車を止め、ケーブルカー、高原バスと乗り継ぎ
一時間あまりでバスの終点の室堂ターミナルに到着。
さすがに室堂周辺は観光客でかなりの賑わい。それにしても、ここでも中国人が多い!!
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室堂ターミナルの、ホテル立山で早めの昼食を済ませ、今晩の宿の剣山荘に向かって歩き出す。
ここからは遊歩道で、地獄谷を抜け、雷鳥平を過ぎると、剣御前小屋のある別山乗越まで約2時間、標高差約500mの急登になる
今年の剣沢は雪が多いらしい。雪渓に足をとられながら剣山荘に向かって下って行く。
途中、剣沢の右側には剣沢小屋とキャンプ場が見えてくる。約1時間30分で、ガスで見え隠れする剣山荘へ到着
到着して早速生ビールで乾杯
こんな山奥の山小屋で、まさか生ビールが、それもジョッキで飲めるとは夢にも思わなかった。
翌日は午前3時に起床、3時半ちょっと過ぎには、真っ暗な登山道をヘッドランプを頼りに、山小屋を出発
さすがに満天の星空、最近、こんな綺麗な星空は下界ではとても見ることが出来ない。
30数年前、同じように、この剣山荘に泊まった時、星空がきれいだった事だけは今でも思い出す!!
雪渓が登山道を分断し、また、登山道のふみ跡もはっきり確認出来ない
この時間、他に登山者もいないので、何度もルートを間違えながら、一服剣を越え、なんとか5時半頃 前剣に到着
この時、既に太陽は昇ってしまっていた。前剣の山頂でご来光となるのを期待していたが、とても無理な話だった!
それにしても、前剣は急なガレ場の連続で、あまりにも厳しい登りで、さすがにいやになる。
ここから先は、急な岩場の上り下りの連続で、鎖のお世話にならないと先に進むことはままならない
下を見ると絶壁で、高度感のある岩場は、さすがに恐怖感が沸いてきて、動作もぎこちなくなってしまう。
山頂へは7時10分頃到着。剣山荘を出てから約3時間半。歳にしては、まあこんなもんかな と!
剣岳の最大の難所の、最後の岩場は、登り専用の"カニのタテバイ"、下り専用の"カニのヨコバイ"という名称で、
それぞれ一方通行となっている。ところがここで登りのルートを見つけることが出来ず、下り専用のルートを登る事に・・・
今回、登り専用の"カニのタテバイ"、を登れなかった事が唯一の心残りとなってしまった!!
山頂からは360度のすばらしい展望が楽しめる。
祠の左側には、立山連峰、北アルプス槍ヶ岳から穂高連峰、薬師岳、
遠くには乗鞍岳、御岳山まで。そして右側には富山湾
前剣への下りの途中で、後から登って来た、Dr Peter Armstrongと出会えた
彼は現在64歳、建築家でもあり、シドニー大学の建築学部の講師。今回、彼は単独での山登り、剣山荘で知り合った。
山小屋では、晩飯を食うことと寝ること以外、他にやることが無い。晩飯の後、テレビで相撲を見てた事から、一緒に話をする事になった。
彼の今回の剣岳は、5年前の5月、カニのタテバイの鎖が凍結していて、登頂を断念した事もあり、再度の挑戦との事!!
前剣からの下り、急な斜面の上部にある"前剣大岩"
いかにも不安定な状態の、こんな大きな岩が、どうして崩れずにこの斜面に留まっているかが不思議でしょうがない・・・
とにかく、ここで地震にでも襲われない事を祈って、少しでも早くこの場を去りたい気持ちで一杯・・・恐ろしい!
帰りは、剣山荘の横を尾根沿いに通過、剣御前小屋から再び雷鳥沢まで下って
無事に、室堂ターミナルには3時半に到着。その日のうちに帰ることが出来た
今回の登山は、30数年前に登って以来2回目。とにかく歳をとっても無事に達成できたことがうれしい!!